2013年1月16日水曜日

東京は世界のど田舎–元IMF日本代表理事のお話

「日中M&A事例から見る中国ビジネス」というセミナーに参加してきました。
日中M&Aの話もおもしろかったのですが、現在はキヤノングローバル戦略研究所の研究主幹であり、元IMF日本代表理事である小手川大助さんのお話が特に面白かったです。

経歴は凄まじいものがあります。
面白かったポイント・主張を挙げてみたいと思います。

【世界経済見通し】
欧米経済はWW2前に匹敵する悪い状況
欧米の時代は終了し、政治・経済の中心は米と中国を中心とした新興国へ
世界経済の成長に対する寄与度(複雑なので省略)

中国は8〜10%の成長があと数年続く(欧米が景気そこそこでのシナリオ)
欧米が悪くても、8%に近い7%台
今後数年間は英語よりも中国語のできる人がトップをやった方がいいくらい

【経営への示唆】
ドル建の決算報告書が必要
求められる資質は中小企業的経営者、リスクテイク
巨大投資に対する金融機関の支援の必要性

【求められること】
コンプライアンスの緩和(JSOX法)
バーゼル3の凍結、金融検査マニュアルの見直し
預金が多いという共通点を持つ日中で新しい金融ルール

【情報を掴む】
情報面で言えば、東京は世界のど田舎

カダフィ転覆の原因は中国と英仏の対立
イスラエルがパレスチナにミサイルを打ちこんだことがエジプトデモの原因
アルジャジーラはシリアに批判的
尖閣購入は山東昭子のせい
プーチン復帰はリビアのせい
CIA長官辞任は女性問題のせいではない
反日デモの原因は日本で思われているのと違う
石原はなぜ購入したか?

【その他】
中国経済のリスクは、資本の自由化
例)1996年韓国OECD加盟−97年破綻

欧米がダメで、相対的に日本が強いので円高になった
円の適正水準は90円前後


最後に、200人くらいの社会人の中に飛び込んで参加したのに質問させていただきました。
(米ワシントンにいると情報量が全然違うというので)東京が世界のど田舎というのは、ネットや報道では公開されない情報、つまりイベントやセミナー、人に会うことで得られる情報が少ないということか、自分たちはどうやって情報を掴んでいけばいいのか、というような質問をしたと思います。

お答えは、
経済の情報については入ってくるが、政治外交の情報は入ってこない。なぜなら日本は世界の政治を動かしてないから。プレゼンスがなく、人が集まってこない。よく日本が世界的な会議に出てない・呼ばれないために「プレゼンスがない」などと言われるが、プレゼンスなんかどうでも良い。問題はそのことによって情報が入ってこないこと。

対面で会って情報を握ることが重要。食事をして飲んで1対1で話をするときに信頼されて掴める情報がある。イベント・交流の輪を広げることが大事。海外で人に会う時は日本にいるときの1/10のチャンス。千載一遇。印象づける。夕食に呼んで、最高の食事とワイン、最高のオペラかバレエかオーケストラに連れてってから最高のフランス料理、寿司、天ぷら、ワインなどを食べさせる。ワインに関しては日本でトップ10に入る自信がある。とのことでした。

自分も来月のハーバードでの学生会議にて、学生会議ではありますが、将来の練習のためにも対面でしっかり情報を掴んできたいと思います。

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