2013年3月11日月曜日

HPAIR5・Partha Ghoshさんからのメッセージ

Partha Ghoshさんは、マッキンゼーでコンサルタントとして働かれ、1980年代に東京支社のパートナーを務めた後、現在はボストンを拠点としてタフツ大学で教鞭を取っていらっしゃいます。大前研一さんなどとも一緒に働かれていたことになります。

HPAIRのオープニングセレモニーでご講演された後に、お話を伺いに行ったところ、日本を離れて20年以上経つ今も日本に愛着を感じてくださっているらしく、日本人学生と有志の他国学生を集めてその翌日、会議2日目に特別セッション、さらにその翌日3日目にはお住まいに招待していただき、夕食をいただきながらの懇談となりました。言い古された日本論のように見えるかもしれませんが、日本を離れて20年経った今も、現在日本で言われていることと同じことをおっしゃってるのは興味深く、彼のお話をそのまままとめてみたいと思います。

2日目の話
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1980年代に先進国の仲間入りをした日本は、謙虚さと自信が同居していた
1990年前後から、謙虚さが失われ、国際的に、政治的に、ビジネス面で傲慢さが出てきた。
そして中国、韓国、シンガポール、東南アジアの影にある状況である。20年間、精神面を正しくマネジメントできてないのではないか。昔は締まった体をしていた日本人の体も、どんどん緩く、重くなっている

MIT、Harvardにいると、80年代と違い日本人が固まっている
オムロンの立石さん、京セラの稲盛さん、ホンダの本田さん、英語は話せなくともグローバルマインドを持っていた。外人を日本人と同じように扱い、議論していた。彼らの強い好奇心が元にあったと思う。何が今の日本人の好奇心を殺しているのか?教育システムだけの問題ではない。

日本は環境保護と資源効率性に強みがあり、発展途上国に対するロールモデル、先進国に対する未来のモデルになりうる。それを輸出しなければならない。
Q.それは日本人の特性と伝統があるからできるのであり、輸出は難しいのでは?
例えば、トイレを流すとき小と大があり、ブランケットを下に敷くのも日本、列車の改札で間違った切符が通ったときだけ閉じる日本の改札と切符を通すと開くために常に開いたり閉じたりしている他国の改札ではエネルギー効率性が違う。シャツ・布もいろいろな使い方がある。箱根、琵琶湖、美しい。水のマネジメントも輸出できるか?

世界が知らないけど日本ができてることはある。日本には日本型の問題解決がある。今はみんなハーバードに行きたがるが、違う型があり、それを発展させることに目を向けてもいいのでは。


原宿、代々木を見ると、明治神宮、伝統の保持が見える。一方でパンクな若者文化があることは悲しいこと。京都、奈良も同じく。欧州も伝統を保持しているように見えるが、例えばイギリスではビクトリア朝の生活様式は完全に消えているし、日本の方が伝統を保持している

日本人は規律、チームワーク、に長所があり、ルールを壊す、新しい発想、議論に短所がある。
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3日目の話。
ハーバードからタクシーで40分ほど行った高級住宅街にあるお店で、奥さんの手料理をいただきました。奥さんは日本の方でした。それまでのまとめと、さらに議論を深めることができました。
例えば、日本人は、「ゴーシュさん、結局外国人である貴方に日本のことはわからないんですよ」という人が多く、そういうことを言うのは世界でも珍しい。なぜか?という問いがあったので、「日本人は、空気を読むという言葉に代表されるように、ノンバーバルコミュニケーションを重視するが、それが日本人にとっても難しいものである一方で、そういった文化に誇りを持っているために、外国人にはわかるはずがない、わかってほしくない、思いがあるのではないか」というやりとりがありました。

最後に、
1,あなたが最もプライドに感じているものはなんですか?
2,あなたが最も恥と感じているものはなんですか?
3,あなたはどういう人だったと記憶されたいですか?
を参加者の中でシェアして終わりました。

参加者の中で、1への「日記をきちんと残し、過去のドットをつなげることができる」という答えが非常に印象的でした。彼女のブログ http://ameblo.jp/tsabaku/

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